語学力存分に活かせる「仲居」「フロント」

「仲居」「フロント」のお仕事って？一日の流れ

「仲居」は旅館や料亭などで給仕や接待をする女性の職業のことです。リゾートバイトで紹介される仲居はほとんど旅館のお仕事が多く、お客様の朝食準備から「中抜け」と呼ばれる長めの休憩時間を挟んで夕食後の片付けまでが基本的な仕事の流れです。ではその内容を1つ1つ具体的に見てみましょう。

時間	すること
6:00	起床	出勤してから仕事を始める前に着物の着付け等の準備があります。
7:00	朝食	調理場で作られた朝ご飯をお客様のお部屋1つ1つに運びます。
9:00	お見送り	チェックアウトされるお客様にご挨拶をし、玄関でお見送りします。
10:00	中抜け	長めの休憩時間です。近くを観光したり寮に戻って自室で過ごしたりします。
14:30	午後出勤の準備	再び着付けをして、今日担当する部屋とそこに泊まっているお客様を確認します。
15:00	お出迎え	担当する部屋のお客様が到着したらお部屋まで案内し、館内のご説明をします。
16:00	夕食準備	お客様が夕食を始められる前までに配膳を終えておくか、または前菜から順にタイミングを見計らって1品ずつお部屋に運びます。
21:00	後片付け	担当する部屋のお客様が夕食を終えられたらお膳を下げ、後片付けを行います。
21:30	退勤	片付けが終わったら勤務終了。温泉に入ったり、気の合うスタッフと食事をしたりして過ごします。

「ホテルフロント」の仕事は多岐に渡りますが、お客様のチェックイン・チェックアウトの管理や会計を行うカウンター業務がフロントスタッフ、ホテルに到着したお客様を出迎え、客室にご案内するのがベルスタッフです。ここでは、ホテルのフロントスタッフの一日の流れを見てみましょう。多くのホテルで採用されている三交代制のシフトのうち「早番」をご紹介します。

時間	すること
7:00	起床	起きて朝食を取ったら出勤して更衣室で着がえ、勤務開始の準備をします。
8:00	勤務開始	夜勤のスタッフからお客様情報の引き継ぎを行い、当日チェックイン予定のお客様を確認しておきます。
10:30	お客様対応	滞在中のお客様への観光案内や館内サービスの説明、予約その他の電話対応などを行います。
12:00	昼休み	社員食堂や休憩室などで昼食を取ります。
13:00	お客様対応	滞在中のお客様への観光案内や館内サービスの説明、予約その他の電話対応などを行います。
15:00	チェックイン	到着されたお客様のチェックインを行います。この時間帯はフロントが最も混雑するため、スピーディで適確な対応を求められます。
17:00	退勤	交代するスタッフにお客様情報などを引き継ぎます。

「仲居」「フロント」に向いている人

仲居の仕事は基本「接客」です。お客様と直接接する仕事なので、旅館の顔になる重要なポストです。訪れたお客様に「ここに来てよかった！」と思ってもらえるかどうかは、仲居の質で決まると言っても過言ではないでしょう。ただマニュアル通りに仕事をこなすだけでは到底良い接客はできません。やらなければならない項目をクリアすることはもちろん、その1つ1つについて、お客様に合わせた接客が出来るかどうかも大切なポイントとなります。仕事の種類も多く、体力も気も遣う仕事であるため、いい加減な気持ちではできません。

そのため、仲居に向いているのはまず真面目で真摯に物事に向かうことが好きな、堅実な人間性を持った人です。そして仲居はお客様だけでなく、仲居同士や調理場など、旅館内の人間関係もうまくこなす必要があり、その旅館のやり方を受け入れた上で自分なりの気遣いが出来る人でなければなりません。協調性や積極性があり、目的意識が高い人も向いていると言えるでしょう。

リゾートバイトは外国人のお客様への対応を含む仕事が多く、特にホテルスタッフは語学力を求められるため、海外経験があり、外国人とのコミュニケーションに慣れている人はホテルスタッフの仕事に向いていると言えます。ただし、フロントやベルスタッフが使用する英会話は内容がある程度限られており、始めは決まったフレーズを覚えて使う程度の語学力でも構いません。また、英語だけでなく、近年は中国語や韓国語が話せるスタッフも求められています。

そしてフロントやベルスタッフの仕事は、文化や常識や価値観の異なる様々なお客様に対応する仕事です。そのため、コミュニケーション能力が高いこと、イレギュラーな事態にも臨機応変に対応でき、失礼の無いよう迅速に作業を行うことができるという実務スキルがある人も向いています。

また、ホテルスタッフは何かが起こったときに丁寧でハイレベルな対応が求められます。そのため、ある程度の社会人経験があること、ホテルスタッフにふさわしい身だしなみや清潔感があることが必須です。自らをブラッシュアップさせていきたい！という向上心や野心のある人が向いていると言えるでしょう。

「仲居」「フロント」の魅力

仲居の仕事をやると、立ち居振る舞いから言葉遣いまできちんとした礼儀作法が身につくという点は魅力的です。着物を着た状態で上品に素早く動き回る方法を覚えなければならないため、数ヶ月の仲居の仕事を終えてみたら女性としてのしとやかさが身についていた！という話もよくあります。

また、仲居はリゾートバイトの中でも給料が高めに設定されているところが多い上に、お心付けと呼ばれるチップをお客様からいただくこともあります。旅館によってはお心付けは絶対に受け取ってはいけない、あるいは受け取ってもすべて女将に預けなければならないというところもありますが、そのままもらってよいところだと月に2〜3万の収入になります。

そして、やはりいちばんの魅力は「お客様の満足度は自分にかかっている」という自負を持って仕事ができるという点です。仕事内容はお出迎えから館内のご案内、お茶やお料理出し、お見送りなど、簡単そうに思えるものばかりですが、お客様に心からリラックスして心地良く過ごしてもらえるような接客をすることはとても難しいのです。ちょっとしたやり取りの際でも表情や声の大きさ、気配りなど、すべてをベストなタイミングで行うためには真のおもてなしの心が必要で、それは経験を積まなければ身につきません。

仲居の仕事を経験した人の多くは、人として、女性としてレベルアップできたように感じると言います。人と接する上で必要なことをたくさん吸収できる仲居の仕事は、その後の人生に大きく役立つと言えるでしょう。

ホテルスタッフの仕事のいちばんのやりがいは、お客様に満足していただけることです。1人1人のお客様ときちんと向き合い、良質なサービスを提供できたときは、お客様から「ありがとう」と言っていただけることもあります。お客様から感謝の言葉をもらえたとき、それは自分の仕事や信じたやり方が評価された瞬間です。お客様と直接接する仕事ではつねに移り変わる現場での判断力・対応力が求められ、傷ついたり落ち込んだりすることも多いですが、その分結果につながった時には「感謝」という最高のリターンを得ることができるという魅力があります。